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九条「戦争の放棄」をどう捉えるか?九条をめぐる学説・政府解釈の動きは「戦争の放棄」をめぐり主に3つの主張があります。 1項全面放棄説1項全面放棄説では、国際紛争解決の手段ではない戦争などあり得ないから1項により単純な侵略戦争や決闘型戦争、自衛・制裁戦争も永久に放棄されたとする見解です。 現憲法には戦争に関する規定はなく、戦争放棄の文言は1項にだけ表現されているので、ここで一切の戦争が放棄されたのだとしています。 2項全面放棄説2項全面放棄説では、1項に規定されている「国際紛争を解決する手段としての戦争」の文言により、国際法上違法とされる単純な侵略戦争や決闘型戦争は放棄されたけれども、それ以外の戦争(自衛・制裁戦争)は1項だけでは放棄されていない。2項の規定によってはじめて自衛・制裁戦争が放棄されたとする見解です。 判例(と言っても裁判例ですが・・)では「憲法九条1項では、いまだに自衛戦争、制裁戦争まで放棄してはいない」(「長沼訴訟」札幌地裁昭48・9・7)と2項全面放棄説を取ったものもあります。 限定放棄説限定放棄説とは主に政府が主張する議論で、1項、2項通じて単純な侵略戦争や決闘型戦争のみが放棄されたのであって自衛・制裁戦争は九条によっても放棄されていないとする見解です。 どう考える?戦争放棄説のあれこれ「1項全面放棄説、2項全面放棄説」・・・別に1項で放棄しようが2項で放棄しようが、どっちでも良いように思われるかもしれません。しかしこれは「憲法改正の限界についての議論」に関連してきます。 つまり、1項放棄説に立てば、2項が改廃されたとしても1項において戦争を全面的に放棄した事には変わりはないわけですから、例えば2項で「自衛軍を持つ」と言った「改正」をすると1項と矛盾する事になり、改正の限界を超えているという話になってきます。 一方、2項放棄説に立てば、1項は国際的に違法な戦争を放棄した旨を述べているだけですから、2項そのものを「改正」してしまえば自衛・制裁のための戦争をおこない得る条項を入れても何等矛盾は生じず、改正の限界を超えたとは言えない事となります。 政治の世界では政府見解に対応したあれこれの議論がありますが、憲法学ではこのような議論がある事を知っていて損はないと思います。 ←前のページにもどる |
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